某英会話教室のサマープログラムでアメリカのオレゴン州を選んだ理由は、田舎でアメリカらしい自然を満喫するぞ!という思いから。
実際に降り立ったのは国際空港のあるシアトル。日本から乗ってきた飛行機と比べると、これはヘリコプターか?と思うくらいの小さな小さな飛行機に乗って、目的のオレゴンへ到着することになった。
ホストファミリーはママ一人。と猫が3、4匹…(入れ替わり立ち代わりでいろんな猫がいて、どこまで飼い猫かわからない)。賑やかな家族をどこかで期待していたから、正直寂しい思いはした。でもこれがホストファミリーの現実で、いろいろなファミリーの形があるのが普通。唯一顔を合わせる夕飯時には一緒にテレビの前に座り、スタートレックを見ながらXLサイズ(有り得ない大きさ)のミルクシェイクを片手にチーズバーガを食べるというお決まりの日課を思いの外楽しんだ。
語学学校はオレゴン州立大学の敷地内にあるESL。印象に残っているのは校長先生。厳しい人だった。一度何か頼み事をした時に私が “Please” と言わなかったのを恐ろしい形相で注意されたのを覚えている。それからというもの、お願いの時にPleaseを忘れないようになったのは、間違いなくこの校長先生のおかげだ。
オレゴンは実は私の大好きな映画グーニーズの舞台になったところで、大きくて美しいビーチがある。かわいらしい港町もあり、それほど目立たないけれど、そこそこ人気の観光地のはず。それで数時間かけて内陸側へ行くと、砂漠のような乾燥した景色に様変わり、目の前に広がるどこまでも続く玉ねぎ畑には圧倒された。そこの空気全体も玉ねぎの香りだったのは今でも忘れられない。地平線が大きく広がるオレゴンで、改めてアメリカの大きさに感嘆した。
私が滞在したのはオレゴンのモンマスという街で、そこはいい感じに昔の街並みを残したままの落ち着いた雰囲気があり、気に入った。アメリカの映画に出てきそうな昔ながらの古臭いレストランの建物、ブルーベリー畑、雨の後にかかる虹、のんびりしている優しい人々…15年以上前のことだけれど、今でもここはそれほど変わらずあのままなんだろうな、という気がする。いつかまた行ってみたい。