Episode 1 : メールはシンプルに
私が初めて日系から外資系で就業したのは、小さな外資系US企業だった。社長はアメリカ人で経営陣は外国人と帰国子女の皆さんであった。
私が外資での就業にチャレンジしようと決めたのは、日系企業では、当時は結婚退職する人も多く、女性が長く働くのは日系企業では難しいのではないか、と思ったからということと、そしてもう一つ。英語はできなかったが、英語が好きで、英語を使って仕事をしてみたい!と思ったからだ。それで派遣で紹介のあった一つの企業で就業することにした。
初出社日。緊張していた。でも、それよりもワクワクが大きかった。幸い直属の上司の外国人は日本語が堪能であった。だがメールのやり取りは英語も多く、書類も英語が多かった。意味なんてほとんどわからなかった。On behalf of さえ始めてみるフレーズだった。でも英語に触れて仕事ができることが嬉しかった。しかし、もちろん仕事上困るので、英語のレッスンに通い始めた。言いたい英語を自分なりに英語で書いて、先生にチェックしてもらったのだ。
ーお世話になりますって英語でなんて言うの? よろしくお願いいたしますは?ー
まず、そこからつまづいた。結論から言うと、”いつもお世話になっております”や、”よろしくお願いいたします”のような英語は無い。なので、毎回、出だしをなんて書くかでつまづいた。日本語なら”いつもお世話になっております”で毎回メールを書けば良いのだが、英文となるとそうはいかない。もちろん、日本語でも相手との関係性によって出だしは違うが、英語だと
例えば
– I am writing this to check Gary’s schedule as Tom would like to have a meeting with Gary ** project.
(Tomの秘書である自分が、Tomの上司であるGaryの秘書宛にメールするとき- 1)
– I am contacting you as Tom would like to have a meeting with Gary about ** project.
(Tomの秘書である自分が、Tomの上司であるGaryの秘書宛にメールするとき- 2)
– I hope this email finds you well.
(何回かやりとりをしているグローバルの秘書にちょっと久しぶりにメールをするとき)